小学校段階におけるプログラミング教育の問題点とは?

2018.6.12

文部科学省では、新小学校学習指導要領におけるプログラミング教育の円滑な実施に向け、プログラミング教育のねらいや資質、評価などを詳しく取りまとめた「小学校プログラミング教育の手引き(第一版)」を公表しており、児童がプログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な”論理的思考力”を身につけることを目的に、全国の小学校でプログラミング教育の必修化を検討しています。http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/

しかし、そんなプログラミング教育にはいくつか問題点があるようです。それは一体何なのでしょうか。今回は「小学校段階におけるプログラミング教育の問題点とは?」について紹介していきます。

プログラミング教育必修化における問題点

教員の負担が増える

近年ではプログラミング教育だけでなく、中学校における武道・ダンスの必修化や、同じく2020年度から小学校で英語が必修化されるなど、さまざまな教育改革が行われています。それに伴い、教員一人あたりが抱える負担は増え、特に生活指導が主体の小学校では、一人の担任教員が全教科を教えているため、必然的にプログラミング教育にまつわる知識も必要になってきます。

既存の教育時間が減る

必修化されるプログラミング教育ですが、プログラミングだけに特化した教科・科目の新設は行わず、あくまで既存の教科の中でプログラミングを教育する方針を図るといいます。文部科学省はいくつかの指導例を提案しており、例えば算数の授業で正多角形の作図を行ったり、理科の授業で電気の性質や働きについて学習したり、音楽の授業ではプログラミングを活用した音楽づくりに励んでみたりといった内容が検討されています。

現状、どのようなカリキュラムで進めるか、どの科目にどれだけプログラミングの時間を割くかなど定まっていませんが、従来の教育範囲から狭まることは確かです。プログラミング教育導入により、それぞれの教科において一般的な知識が果たして学べるのかといった心配の声が寄せられています。

環境整備のための予算

プログラミング教育を実践するための教育用のPCやネットワーク環境の整備、また、授業に用いるさまざまな機材など、プログラミング教育を必修化するにはICT環境の整備が必須となります。都市・地方問わず、全国の小学校で必修化されるため、それに向けた予算は膨大なものとなるでしょう。小学校教育でプログラミングを”必修で”学ばなければいけない意義が明確化される必要が出てきます。

 

プログラミング教育のねらいとは?

小学校におけるプログラミング教育必修化のねらいには、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「人間力」の3つが含まれています。

知識・技能

情報と情報技術を用いた問題の発見および解決方法や、現代社会において情報化の進展が果たす役割や影響、またその中で個人が果たしていく役割や責任について理解し、情報と情報技術を適切に活用するために必要な技能を身につけることが重要です。

プログラミング教育を通じて、必然的に児童がプログラミング言語を習得したり、プログラミング技能を身につけたりすることはありますが、それを主要目的に実践することはありません。

思考力・判断力・表現力

現代のさまざまな事象を、情報とその結びつきの視点から把握し、複数の情報を結びつけて新たな意味や価値を見出す力や、問題の発見および解決に向けた情報技術を、適切かつ効果的に身につけることも求められます。

自分が意図する一連の動きを実現するために、どのような動きの組み合わせが必要か、一つ一つの動きに対応した記号をどう組み合わせるか、それによって生まれた動きをどう改善させていくかなどを論理的に考える力が養えます。

人間力

情報や情報技術を適切かつ効果的に活用し、コンピュータの働きを、よりよい社会や人生づくりに生かそうとする態度が、将来を生きる児童たちにとって、必要な心持ちであると言われています。

 

小学校段階におけるプログラミング教育

小学校段階におけるプログラミング教育は、児童がプログラミング言語を習得したり、 プログラミング技能を身につけたりすることをねらいにしていません。ただし、効率的にプログラミング学習に取り組めるようにするため、必要に応じてあらかじめプログラミングを体験させ、プログラミング言語やコンピュータ操作等に慣れ親しませることも有効と考えられています。

なお、そうした学習活動を、総合学習の時間で行う際、それのみで学習が完結することにならないよう、総合的な学習の時間の目標を実現するにふさわしい探究的な学習プロセスの中に位置付けて実施することが求められます。

プログラミング学習における分類

上記の図は、小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類例です。

AおよびBは、学習指導要領に例示されているかいないかの違いがあり、どちらも各教科等で学びをより確実なものとするための学習活動として、プログラミングに取り組むものです。

一方、Cは、学校の裁量によって学習指導要領に示されている各教科などとは別に、プログラミングに関する学習を行うものです。しかしこの場合、児童の負担過剰にならない範囲で実施することが前提であることに留意する必要があります。また、プログラミングに関する知識や技能を一定程度体系的に学ぶことも考えられていますが、児童がプログラミングに取り組みやすくなるよう、各教科などの内容と関連させる工夫が期待されます。

Dは、教育課程内で、クラブ活動など特定の児童をターゲットにして実施されるものです。

また、EおよびFは、学校の教育課程に位置付くものではないものの、地域や企業・団体などにおいてプログラミング学習の機会が豊富に用意され、児童の興味・関心に応じて提供されることが期待されており、学校と地域、企業・団体の相互協力が必要とされます。

 

まとめ

プログラミング教育が必修化された後の小学校において、情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動およびプログラミングの体験を通じて、各教科等の特質に応じ、論理的思考力を身につけるための学習活動を計画的に実施する予定です。

また、子供たちが将来どのような職業に就くとしても、時代を越えて普遍的に求められる”プログラミング的思考”を育むことも求められています。今後予定されているプログラミング教育において、問題点はいくつかありますが、この制度の導入が将来的に大きな成果を生み出すことが期待されています。

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