2020年からプログラミング教育が必修化するって本当? そのメリット・デメリットとは?

2018.6.12


NHK Eテレの番組が実施したアンケートによると、保護者の実に62%の方が、小学校でのプログラミング教育必修化を『知らなかった』と回答。世間的にはプログラミング化の時代が進んでいながら、プログラミング教育を行うことに関してはあまり認知されていないようです。https://www.nhk.or.jp/

今回はそんなプログラミング教育をより良く理解するために、プログラミング教育を実施するにあたるさまざまなメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

プログラミング教育のメリット

論理的思考力が身につく

プログラムを作成するためには、論理的思考力は必要不可欠です。どのように動かすか、どういった処理をさせるかなどを考え、それを具体化させるために必要なステップを一つ一つ積み上げなければなりません。その際、条件分岐や繰り返しなども考慮し、処理に漏れがないか配慮する必要が出てきます。

そうした一連の中で経験を積んでいくと、社会でも通ずるような論理的思考力が養われ、プログラミング以外の場面でも目的を明確化させ、プロセスを漏れなく網羅できる能力が発揮できます。

問題解決能力が身につく

コンピュータはプログラムに書かれた通りに動き、プログラムで指示した手順や内容に誤りがあれば、コンピュータも違う動作をします。意図した通りにコンピュータが動くようプログラミングするには、最初からコンピュータに何をさせるか明確化し、どういう動作がどのような順番で必要なのかを考え、それをコンピュータが理解できる言語で記述したプログラムを作成&実行し、コンピュータの動きを確認します。

意図した通りに動かなければ、プログラムの問題点を洗い出し修正するといったプロセスを経る必要があるため、こうした行動は子どもにとって問題解決能力を育む一種として表れるでしょう。

想像・創造力を養える

プログラミングは、頭に描いたものを簡単に実現できるのが特徴です。例えば、「毎日の宿題の出来をスコアリングする」「筆箱に入れている消しゴムの残量を通知する」といった思い浮かんだアイデアを形にすることができます。できることが増えれば、必然的に創作の幅も広がっていき、想像したものを創造できる力が養われると期待されています。

 

プログラミング教育のデメリット

インターネットの危険性

今や小学生でもYouTubeやTwitterを活用していたり、幼児の時からiPadに触れていたりと、親御さんの幼少期からすれば考えられない時代に突入しています。パソコンと密に増える機会が増えたことで、インターネットに対しても簡単に操作ができるようになった昨今、有害なものではないにしろ、子どもが勝手にアクセスするには危険なものも多く含まれています。

真っ当な知識を身につける以前からインターネットに触れ、知らず知らずのうちに有害サイトに巻き込まれてしまっては本末転倒です。そのため、親御さんや先生がそばにいる時のみパソコンを使うなど、きちんと管理が整った環境を作り、なるべく危険から身を守ってあげることが求められます。

基礎学力の低下

プログラミングを学習させることは、教育改革としても新たな試みとして推奨されています。しかし、その一方で、基礎学力の低下を招きかねないという意見も絶えません。以前から危惧されている「子どもの学力低下」は年々進んでおり、このままいくと応用どころか基礎知識さえも身につかないままになってしまうのではないかと謳われています。また、過去に行われた学力調査では以下の問題が出され、その結果に愕然とする声が多発しました。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。よってセルロースは( )と形が違う。

A. デンプン
B. アミラーゼ
C. グルコース
D. 酵素

一見引っ掛けに思えて実は簡単なこの問題。答えは当然Aのデンプンです。ところが、以前学力調査でこの問題を出された中学生のうち、正解者はなんと3割以下で、BやCと回答する生徒の方が多かったようです。単純な読解問題を難しく感じてしまう子が多いという結果を目の当たりにすると、果たして優先すべき教育はプログラミングなのだろうか、他に学ぶべきものがあるのではという声も少なくありません。参考: http://www.coal-miner.com/entry/

実体験が失われる

小学校でプログラミング教育が必修化されることに反対派である、同志社大学教授・三木光範氏は、「子どもは積み木で遊ぶことで木材を手で触り、大きさや重さの関係、構造物の安定性などを感覚と経験で学ぶ。このとき、コンピュータ上でマウスを使って積み木をすることは、現実世界の理解を妨げることになり、感覚でそれらを学ぶ大切な機会を逃すことになる」と訴えています。

仮想現実では決して得られない”五感を使った体験”こそ幼少期に味わうべきで、情報化社会を生きていく中で新たに学ぶものはたくさんあるものの、プログラミング教育はそれに適していないようです。

プログラミング言語の進化

コンピューターシステムは急速的に進化しており、このままいくと2040年頃には完全なるコンピュータ時代に突入すると言われています。そのため、小中学校でプログラミングを習ったところで、その子たちが大人になって就職する頃には、すっかり言語が変わっているでしょう。

通訳者を目指すのに、中高で習った英語だけでは通用しないのと同じで、趣味や教養の範囲を超えて、ビジネスとしてプログラミングを活用するのであれば、ずっと最新のプログラミングに触れておかなければなりません。

 

まとめ

プログラミング教育は、創造・想像力を養えたり、問題解決能力を身に付けられたりといったメリットがある一方、実体験や学力を失う恐れがあると危惧されています。しかし、論理的思考力を培えるといった利点も含んでいるため、ひょっとしたらプログラミング教育のおかげで、学力低下を防げるかもしれません。

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