子どもの「やってみたい!」を尊重。プログラミングの授業における教師の役割とは?

2019.2.25

プログラミング教育について興味はあるけれど、実際に授業をどう進めたらいいのかわからない。我々の元には、日々こんな相談が寄せられます。先生方や保護者の皆様のこういったお悩みに答えるため、今回はすでにembotをクラブ活動などに取り入れ、児童とともに活動されている長野県伊那市立伊那東小学校の田中先生に、お話をうかがってきました。

 

Q.embotを使って、クラブ活動を実施されたそうですね。まずはどんな内容だったのか、具体的に教えていただけますか。

「学校に来たよ!近未来。embotで学校120歳をお祝いしよう!」をテーマに、伊那東小学校の創立120周年をお祝いする企画を、子どもたちとともに考えました。

embotを音楽に合わせて動かす動画を作成しようということになり、クラブ活動全3回(各回90分)の時間で、embotを使った活動を行いました。

1回目はembotの組み立て、第2回目は子どもたちがペアになってembotのデコレーションとプログラミングを行います。最後の回では自分たちが作ったembotが動く様子を動画に撮影し、アプリを使って動画編集。その動画は伊那東小学校の開校記念展で展示しました。

Q. 今回、embotをつかった活動をすると決めた理由を教えてください。

「子どもの創造性をプログラミングで発揮できるような機会を作りたい!」と考えたからです。

今年度は、ミッチェル・レズニック氏の「創造性を育む4つのP」を実践の軸にしてきました。子どもたちがパッション(Passion)を持って、仲間(Peers)と一緒に試行錯誤(Play)しながらプロジェクト(Project)に取り組み、創造性を育むという考え方に共感しました。

embotの動画をみる子どもたち

Q. 最初にembotをみた子どもたちの反応はどうでしたか?

初回のクラブ活動で、子どもたちに手渡したのは1枚のダンボール

はじめは「これがロボットになるの?」と、みんな半信半疑でした。しかし、友達と協力しながらダンボールをカットして、組み立てて、たった1枚のダンボールがかわいらしいロボットに変身する過程を一度体験すると、子どもたちの目はとたんに輝き始めます。「次は、どんな風に変身させようか?」と話し合い、わくわくしながら手を動かしていました。
子どもたちは、embotを使った活動を通じて、自分たちで考えたプログラムでロボットが実際に動くという喜びを味わえたようです。やはり、子どもの興味をより刺激する体験という意味では、バーチャルよりもリアル。実際に手に取れる物のほうが適していると思います。

Q. プログラミングの際に、ハードル等はなかったのでしょうか?

ほとんどの児童がプログラミング初体験でしたが、そこはさすがデジタルネイティブ世代。
embot
のアプリは直感的にプログラミングができるようになっているので、ほとんど教師が教える必要はありませんでした。
子どもたちは、「こうやったらどう動くのかな?」とティンカリング(※1)することを経て、愛着がわいたembotを「こんな風に動かしてみたいな。」という思いが高まり、試行錯誤しながらプログラミングに取り組んでいました。
embot
で充分プログラミングを楽しんだ後には、embotとは違うものについて「こんな形で、こんなプログラムを動かしてみたいな。」という声も聞かれ、子どもたちの創造性が広がっていると感じました。embotは、子どもたちの創作意欲や創造性が発揮される素晴らしい教材です。

(※1)ティンカリング:様々な素材や道具を使って、自分の好きなようにモノづくりをしたり、様々な方法で物事を試してみたりと、「試行錯誤を繰り返しながら、自分でモノや思考を創造していく」こと。/一般社団法人ティンカリング協会ホームページより。

 

Q.田中先生はインクルーシブ教育にも、積極的にかかわられていますね。インクルーシブ教育とembotの活用についてどのように考えますか?

インクルーシブ教育とは、障がいの有無に関わらず、共に学ぶことを通して、共生社会の実現に貢献しよう、という考え方です。特別な支援を要する子どもにとって必要な合理的配慮をしながら、同時に学ぶすべての子どもが達成感や満足感を得られる、充実した活動を行う必要があります。そのためには、ユニバーサルデザインの考えを取り入れた授業を行うことが必要です。

embotは、スモールステップで創り上げる喜びを味わうことができます。また、この時間の中で何を行うのかという焦点化された授業を組み立てやすく、視覚的にもわかりやすい説明書があったり、直感的な操作性を持っていたりするのもインクルーシブ教育に向いているポイントです。

友だちと相談しながら自分の考えを伝え、協力したり教え合ったりすることで、自然に情報の共有が行われ、インクルーシブ教育において必須とされる、授業のユニバーサルデザイン化を可能にする教材のひとつと言えるのではないでしょうか。

子どもたちが作ったembot

Q. 今回の実施を経て、「4つのP(パッション(Passion)、仲間(Peers)、試行錯誤(Play)、プロジェクト(Project))」の軸は、子どもたちにどんな変化・成長をもたらしてくれたと感じますか?

第一回目のクラブ活動でembotを組み立るのとき、「先生、こうですか?」「これやっていいですか?」「合っていますか?」と、要所要所で子どもたちが教師に質問をしに来たのを覚えています。「わからなかったらペアで相談してごらん。周りのペアに聞いてごらん。」と、こちらからは指示を出さず、ペアでプロジェクトに向かっていく活動となるよう仕向けたところ、子どもたちも「頼るべきものは先生じゃないのか。自分たちで創りたいように創って、プログラムしていいのか。」と認識したようです。主体的に考え、協働しながら何でもやってみて、自分たちで納得するものを創り上げる姿に、子どもたちの成長を感じました。

子どもたちがこれから生きていくのは、正解のない問いに対してみんなで考え、みんなが納得できる解を見出していく時代です。embotを活用し、答えのない課題に対して、楽しみながら真剣に取り組んだこの経験が生きてくることがあればいいなと思っています。

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