見た目や形にとらわれず、自由な発想でembotを”教科”に組み入れる【宮城教育大学附属小インタビュー・前編】

2019.6.13

2020年の必修化を控え各方面で準備が進められている中、「プログラミングをどう授業に取り入れたら良いのか分からない」「そもそもプログラミング経験もないし、苦手意識がある」・・・先生方のなかには、このような悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、「プログラミング経験のない教師と子どもたちが、スムーズに実施できるプログラミング授業」という観点で実施された実証授業の事例をご紹介します!


左から、宮城教育大学 技術教育講座 安藤明伸教授、宮城教育大学附属小学校 大久保達郎先生、宮城教育大学4年生 澤田美月さん

今回、embotを使ったプログラミング授業の取り組みは、宮城教育大学の4年生 澤田美月さんと、同大学技術教育講座 教授の安藤先生の助言と協力を受けながら、宮城教育大学附属小学校の大久保達郎先生のクラスで行われました。
2年生の児童たちに向けてembotを使った研究授業が行われ、初体験となるプログラミングの授業に子どもたちもドキドキです!

図画工作を研究科目とする大久保先生は、澤田さんたちが作った教材をもとに「embotの機能を使って絵を動かして、物語を創作する」という授業課題を設定。児童たちと想像をふくらませ、「ワクワク」や「発見」を大切にした2時間となりました。

【45分×2コマ】の授業という限られた時間のなかで、初回の授業は「物語の想像を広げる時間」、2回目は「実際にembotへのプログラミングを活かして表現する時間」と、コンパクトに目的を絞った授業計画。

さぁ、先生たちと一緒に、授業を振り返っていきましょう!

<1時間目>このダンボールの動きから、物語を想像してみよう。

ーーまずは、今回の授業のおおまかな流れを教えてください。

大久保先生:今回は、身近な紙でできたものを主材料にして、児童たちの自発的な創造性を養う図工の「ひらめきコーナー(小学校2年生向け図画工作の教科書より)」にembotのプログラミングを組み入れ、「embotの動きから、物語を想像する」という授業を行いました。

授業中の先生と児童たちの様子。イルカとボール、ネコとちょうちょなど、子どもらしい発想の物語が次々と出てきます。

私(大久保先生)と澤田さんは、あえてembotを写真のようなシンプルな形で使うことに。embotの特徴である「かわいらしいクマの形」から離れた、左右への単純な動きから想像を膨らませ、物語を創り出すことに児童を集中させることがねらいです。
見た目を限りなくシンプルな教材にしたからこそ、単元のゴールである「物語を創り出す」ことにしっかりとフォーカスした授業が可能になったと考えています。

「このパーツをみぎからひだりに動かす。何にみえるかな?どんな物語が想像できる?」
ハチに追われる設定を参考例にして、「もし同じ右方向に傾けば、“逃げる”。ふたつのブロックが真ん中に向かって傾けば、“さされる”ように表現できそうだね。」

ーー今回、あえてembotの特徴であるクマを使わず、オリジナルの教材を作られたとのこと。それはどうしてですか?

大久保先生:ダンボールのクマの形は、2年生の児童にとって可愛くてとっつきやすい反面、今回のねらいだと自由で柔軟な発想や創造性を妨げてしまうかもしれないという懸念もあり、組み立てに時間を割くのではなく、「ストーリー作り」や「プログラミング」に時間をかけた授業を実施したいと考えました。
そこで、澤田さんの協力も得て、思い切ってダンボールの土台にふたつの四角がついているだけのシンプルな筐体を考案したんです。ふたつの四角が左右に動く様子をみて、児童たちにストーリーを想像してもらう。同じ動きでも、児童それぞれが個性的な発想をするので、彼らが想像した物語を聞くだけでも、興味深かったです。

安藤先生:学校教育での利用となると、「楽しい!」で終わるのではなく、プログラミング教育のねらいや情意面に与える効果を検討する必要があります。また、限られた時間でどのように授業を実施できるかということも考えなければなりません。そう言った点でも、このシンプルな形が果たした役割は大きかったのではないでしょうか。

ーー他にも、実際にここまでの取り組みを通して発見したembotの利点や魅力はありますか?

澤田さん:embotは非常にコンパクトで、ダンボールとタブレットさえあれば、特別な設備は必要ありません。他のプログラミング教材のように大きな動きがない分、体育館のような広いスペースの準備も必要なく、通常教室で授業が行えることは非常に扱いやすいと感じました。机の上でもしっかりとストーリーが完結するembotによるプログラミング体験は、小学校の授業で導入するのに適していたと思います。

さて、2時間目はいよいよembotをつかったプログラミングを実施します。
挑戦の結果はいかに…!?

2記事目へ続く→

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