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実施日:2020年2月14日

実践事例/指導案6年生 総合
A分類「光、音、動きを制御し、共に創造する」

仲嶺盛之先生

筑波大学附属小学校
仲嶺盛之先生

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さまざま試行錯誤しながら、創ることができる

さまざま試行錯誤しながら、創ることができる

embotをどう活用されましたか?

本校総合活動では、子どもたち自らが課題を見つけ探求する活動を目指してきました。それは主体的で対話的であり、新研究「STEAM+総合活動」では、益々その理念は鋭角になっています。本実践は子どもたちの主体性と現代的な課題を融合させ、未来を創る活動としました。プログラミングを取り入れた工作的な表現活動を通し、子どもたちの探求する姿を目指しました。教材は教師も初めてであり、正に走りながら共に考える授業となりました。「embot」は簡単なブロック式から複雑なフローチャート式へと、子どもたちの興味関心や理解度に合わせて本格的なプログラミングにも触れることができ、動きやパフォーマンスもより精度が上げていくことができるよさがあります。

さまざま試行錯誤しながら、創ることができる

さまざま試行錯誤しながら、創ることができる

動きからテーマを創る

動きからテーマを創る

どんな授業内容になりましたか?

サーボモーターに画用紙やストローなどのアナログな材料を組み合わせることで、視覚的に劇的な動きが可能となります。実践ではフィギュア用のスタンドも流用し、子どもたちが三次元的に表現をする力を培う手立てとしました。「embot」への材料の装着はセロハンテープを用いました。実際の活動では男女ペアに「embot」、iPadをそれぞれ一台ずつ配布しました。サーボモーターが回転する動きの面白さ、LEDライトの点滅など試していきましたが、PCは少しずつ、しかも同時にいくつもの情報は表現できないことは既に学んでいます。新しいAIとの付き合い方もその慎重さが試されることとなりました。「embot」がいいのは適度なアナログ感。正に文科省の言う「プログラミング思考」を培うのに初等教育においては最適だと考えます。そのセッティングにおいても細かな配慮が必要です。一つでも手順や間違った組み合わせだと作動しません。例えば入れる電池の向きが違ったりすると当然ですが作動せず、その消耗にも敏感でプログラムにすぐ不具合が出ます。更には本体に刺す端子の場所や左右の差し違えなど、デジタルとアナログのハイブリッドなキットのため、子どもたちには操作情報が多く、開始当初さすがに悪戦苦闘することになりました。しかしながらその適度な手ごたえこそが、子どもたちの創作意欲を掻き立てたと感じます。

子どもたちがブザー装置で奏でる曲は「カエルの歌」、筑波小の「校歌」そして学級で人気の曲やなじみのコンビニのテーマなどに続いていきました。音程と同時にその長さや休符も細かく設定できる機能があることで、子どもが音を使って何かを発想する大きな可能性を生み出すと思います。サーボモーターの回転をストローやひもなどと連動させることで、思いもよらない動きを発見する子ども達の姿を見ることができました。材料の大きさ、形、色、組み合わせで無限の表現の可能性があります。試しながら有り合わせの材料でブリコラージュする姿は図画工作科の造形遊び的な感覚に近いと思います。

動きからテーマを創る

動きからテーマを創る

曲に合わせて点滅させた

曲に合わせて点滅させた

児童の反応はいかがでしたか?

作品「踏切(写真3)」。サーボモーターを30秒間隔で90度開くように設定し、上下する動きを踏切板とした作品です。赤青のLEDライトはそれぞれ時間を設定しました。踏切があがると同時に青が点き、暫くして赤が点滅し、踏切が下がると赤が点くという、なじみの所作を表しました。30近い命令をプログラムした内容に、仲間も絶賛します。線路を走る電車は手で動かすアナログ感がまた面白いです。

embotを活用してよかったことは?

子どもたちの動きを創り出す工作題材への意欲から、本実践はプログラミングを通し、光、音、動き(回転)の三つの要素を組み合わせる活動としました。コンピュータとのコミュニケーションを構築する新しい表現の可能性を感じました。「embot」を使い、未知の表現に挑む子どもたちの姿は知的好奇心の高まりを見せます。やりたいことを実現させる過程には、プログラムする手順の精査が必須となります。初等教育における子どもたちにとって、「embot」は感覚的に扱うことができ、使いながらPCへの命令を修正し再構成しやすいよさがあります。

曲に合わせて点滅させた

曲に合わせて点滅させた

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