実施日:2023年11月20, 27日、12月4日
埼玉県立越谷西特別支援学校
佐藤 裕理先生
embotが登場するクリスマスムービーの作成を行った。3つのチームに分かれ、音楽作りチームはembotの「ブザー」の機能を用い、「We Wish You a Merry Christmas」のメロディを入力し、BGMとした。実際の画面のスクリーンショットを印刷して配ったものを見て写していき、正解の音源と聴き比べて正しく入力できるか自分で判断して修正できるよう指導した。撮影チームはembotのかわいいビジュアルを用いたコマ撮りムービーを「KOMAKOMA」というアプリを用いて撮影した。手本の動画を元に生徒たちで構図を考え、並べる生徒と撮る生徒に分かれて撮影をした。動画編集チームが、Canvaで素材を全て合成した。
完成見本をあらかじめ作成しておき、このような動画を作る、という到達点を示した。また授業時間が短かったため、事前に撮影に使用するembot5台は教員の方で組み立てておいた。またクリスマスの映像なので、百円ショップなどでクリスマス関連の装飾を用意した。(ちょうど小さいサンタの帽子が、兎耳のパーツにジャストフィット)各チームの手順書(ワークシートをダウンロードしてご確認ください)を用意し、各々の生徒が課題に取り組み、教員は適宜支援を行いながら活動を見守った。
最初に教員が作成した完成例を示し、制作にあたって3つのチームに分けることを示した。チーム分けは生徒の興味関心で選択できるようにしたが、撮影チーム5名、音楽作りチーム4名、動画編集チーム2名とバランスよく分かれた。
①撮影チーム(2名・3名)
2つのチームに分かれ、(1)embotが歩いてくるシーンと演奏の準備をするシーン、(2)クリスマスツリーの装飾をするシーンの撮影をそれぞれ行なった。アプリや撮影の仕方を試行錯誤しながら取り組み、全体の30%ほどの撮影を行った。
②音楽作りチーム(4名)
見本を元にembotのレベル1プログラミングで入力を行った。4人中3人は見本を見て一人で入力することができた。支援が必要な生徒は、入力する音がひとつだけ表示されるように適宜紙で隠すなどの支援をすることで、適切に入力することができた。個別に音源を録音し、和音になるように教員が調整して合成した。
③動画編集チーム(2名)
Canvaで動画の背景素材(動画)を検索した。クリスマスで検索し、イメージに合うものを二人で相談して選択した。
前回の続きに取り組むよう指示した。すでに終わっている音楽作りチームは撮影チームに入った。
①撮影チーム(3名、4名)
2チームそれぞれが自分の撮りたい場面の撮影を行った。生徒同士で話し合い、どのような撮影がしたいか、どのように動かすかを考えながら取り組み、教員は支援を求められた時だけ指導助言を行った。
②動画編集チーム(2名)
編集する動画が来ていないため、embotの組み立てを行った。
動画素材が完成したため、動画編集チームがCanvaで素材の結合と音源の選定を行った。時間内に完成して見合えるように、あらかじめ教員の方で動画の時間を調整し、素材のアップロードは済ませておいた。
①動画編集チーム
Canvaの動画背景削除機能であらかじめ選んでおいた背景動画と合成し、embotの「We Wish You a Merry Christmas」の音源を合成し、無音のオープニング部分にCanvaの音源素材からクリスマスで検索して選択したものを設定した。
最後に全員で完成した動画を鑑賞し、小学部の子供達へのメッセージを撮影した。
完成の見本として示したコマ撮り動画を作れるという期待感から、どの生徒も関心や意欲が持てていた。制作は順調に進み、生徒同士や教員に適宜相談し合いつつ最後まで期待感を持って取り組めていた。最後に完成した動画を見て歓声も上がり、素晴らしい作品を自分たちが作り上げられた、という達成感を感じている様子が見られた。
embotの機能としてはメロディー作りチームの取り組みのみであったが、生徒は指示書の通りに音階を入力することで演奏できる、これまでの音楽の授業では経験してこなかった音楽作りの学習に取り組むことができた。今回演奏した曲はループする箇所があったので、ループ処理を組み入れることでよりプログラミングの学習をより深めることができた。本実践ではembotの機能面の活用が少ないので、指揮者の腕の動きなどを組みいれていくなどしたい。